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五輪を控えたブラジルで流行する「ジカウイルス」とは 解説動画あり

      2016/03/08

ジカウイルス
時々日本のニュースにも流れるようになったこの言葉。
オリンピックを来年に控えたブラジルを中心に南米で大流行しているそうで、各保健機構からの注意喚起がアナウンスされ始めています。

ジカウイルス、ジカ熱とは何なのか。
感染経路と予防法、症状と治療法などについて調べてみました。

ジカ熱とは、文字通りジカウイルスの感染症のことです。

感染経路

感染経路はデング熱と基本的に同じです。
ジカに感染した人の血液を吸った蚊が、他の人の血を吸う際にウイルス感染が起こります。つまり、近い時期に海外渡航等をしていない人からも感染する可能性があります。

ジカウイルスを運ぶとされている蚊はネッタイシマカ、ヒトスジシマカの2種類です。

ヒトスジシマカ

ヒトスジシマカは日本にもいます。たくさんいます。温暖化の影響で分布域を北へ拡げているようで、今では本州以南はほぼ全県下で確認されているとのことです。

ヒトスジシマカはデング熱の運び屋にもなるので、デング熱の流行った当時も生息域の拡大は話題になりました。

ヒトスジシマカの分布域

国立感染症研究所の小林睦生氏

※母子感染や、血液感染、性交渉によるものと思われる感染例も報告されています。

症状

ジカ熱は、感染後数日から10日程度の潜伏期間を経て発症することが多く、症状は、発熱(<38.5℃)、発心、結膜炎、関節痛などで、3日から12日ほどで回復するそうです。
(頭痛、リンパ節の腫れ、下痢、嘔吐ある症例もあります)

症状もデング熱と似ていますが、総じてデング熱よりも軽症で済みます。
死亡率1%未満とされるデング熱よりも軽い症状というだけあって、ほとんど自覚しないまま自然に治癒している例も多く、「発症」という状態になるのは感染者の5人に1人前後と言われています。

ジカ熱 診断・治療・予防

診断法

ジカウイルス遺伝子検査により陽性であればジカ熱と確定診断されます。
血清、尿からジカウイルスのRNAを検出するという方法です。

※感染症法上の届出対象疾患ではありません。
 2/5 厚生労働省が「4類感染症」に指定しました。
3月から、ジカ熱を診断した医師は保健所に報告する義務が発生します。

治療

今のところ有効な治療法はありません。

ですが、元々気付かない人が多いほど症状の軽い疾患です。入院が必要になることもほとんどなく、対症療法と安静によって回復します。

予防法

ワクチンはありません
感染の予防は、蚊に刺されないよう注意することに尽きます。

症状の軽いこのウイルスがなぜ怖いのか

小頭症との因果関係の疑い

ジカウイルスと小頭症の因果関係が疑われているからです。

妊娠中にジカウイルスに感染した場合、胎児が小頭症になる可能性が高まるかもしれないと言うのです。
(小頭症の原因は、はっきりとは判明していません)

ブラジルで小頭症の新生児が増加している(2015年10月から2016年1月21日までの間に3500人。これは例年の20倍とのことです。うち46人が死亡)そうで、ジカウイルスの検出された新生児もいたと報道されています。

小頭症とは

小頭症とは、脳が未発達で小さいまま生まれてくるものです。
頭蓋骨は頭の真ん中でかみ合わされるような構造になっています。乳児の頭は実はとても柔らかく、まだ頭蓋骨がかみ合っていないので、あまり頭に触ってはいけないと言われることもあります。

その頭蓋骨が胎児のうちにふさがってしまうと、脳は正常な発達を妨げられ、大きくなることが出来ません。これが小頭症です。
脳が発達できないので、知能や身体機能に障害が出ることが多く、少なくとも楽な病気とは言えないものです。

こうした状況から、厚労省は特に妊婦に対し、南米への渡航は慎重にと呼びかけています。
米疾病対策センター(CDC)も、妊娠中の女性はブラジル、プエルトリコ等、ジカウイルスの流行している地域への渡航は避けるよう勧告を出しました。

南米ブラジル_ジカウイルス_流行エリア

The Washington Post

ジカ熱の症状自体は、それほど恐れることもないのですが、胎児への深刻な影響もありえることから、各国、ジカウイルスに警戒しています。

これまでに日本での症例はあったのか

2013年以降で3例報告されています。

いずれも海外から帰国した後の発症でした。
もっとも、ジカ熱は症状の軽いものであるため、感染しても気付かずに自然治癒しているケースも多くあると想像されます。

また、ここへきて海外で流行していること。円安原油安などで海外からの旅行客が増えていることなどを考えると、今後そう遠くない時期に日本国内でも発症者が増加することもありえます。

感染者から血を吸った蚊に刺されれば、日本国内にいてもジカウイルス感染の可能性はあります。

妊娠中の方はもちろん、妊娠の可能性のある方、妊娠を望む方は、くれぐれも気をつけて下さい。
性交渉による感染と見られるケースも少ないながら存在するので、子作り中であれば男性も充分に注意が必要です。

ジカウイルス感染の流行している地域とは

WHOのアナウンスによると、現在(2016年1月30日)、ジカ熱の感染者が国内で確認されている国は24カ国とのことです。

なかでも特に感染例が多いとされているのは

南米 ブラジル
パラグアイ
コロンビア
カリブ諸国 ドミニカ共和国
バルバドス
中米 メキシコ
エルサルバドル

です。

アメリカ、カナダ、ドイツ、イギリスなどの国では、中南米からの帰国者の感染例が確認されているそうで、やはり今は南米近辺が最も危険なようです。

蚊を避ける効果的な方法とは

ワクチンがなく、自覚症状のない人からの蚊を介した感染もあるとすれば、自衛手段は蚊に刺されないようにすることしかありません。

蚊の生態についても研究は進んでいるようです。
次に具体的な虫刺され防止策を見て行きます。

とにかく!蚊に刺されずに過ごすために(屋外編)

 

余談ですが、ヒトスジシマカは漢字では「一条縞蚊」と書くようです。
なんだか字面は典雅です。

動画 ジカウイルスについて知っておくべきこと

BBC NEWS JAPANの動画がありました。

ジカウイルスについて知っておくべきこと (1分46秒)

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